• 概要

    1980年にいわゆるバイドール法が施行されて以来、アメリカにおいては大学のような公的な研究組織が政府からの研究資金によってなされた研究成果から、大学が特許を取得しパテント収入を得ることが可能になった。それ以来、かつては特許にネガティブな姿勢をとり続けていた大学は、おおっぴら特許取得競争に邁進している。いわゆるプロパテント政策の延長線上に表面化した出来事である。クックデーガンは、『ジーンウォーズ』という書物のなかで、ワトソンクリック以来分子生物学の進展がどのような政治的背景で可能になってきたのか、を詳細に論じた研究者である。彼自身、長年NIHにおいて生命科学の一線で活躍していた研究者だが、その経験から先端科学がいかに政治的政策と関わっているかを意識してきた。近年、政府のパテント政策が大学や科学の本来持っていた公的役割を衰退させつつあることにつよい警鐘を鳴らし続けている。インタビューは、こうした問題について後半に行ったが、このビデオクリップではバイドール法のもっている問題点について語ってもらった部分を収録している。
  • ロバート・クックディーガン

    デューク大学の Institute of Genome Sciences and Policy のディレクターとして、ヒトゲノムの解読以後の、生命科学と国家政策の問題について研究している。